謎に満ちた新興企業,という代名詞は,以前はトランスメタのためにあった。順調にテクノロジー企業として孵化したトランスメタの代わりに,今,その代名詞を冠している企業がある。カンナ社。どこか東洋的な響きを持つ,クパチーノの一角にあるというこの企業が,ディスク,を変革させようとしている。
シリアルATAワーキンググループがハードディスク,CD-RWドライブなどを接続する新しいインターフェイス規格「シリアルATA 1.0」のドラフト仕様を公表した。このデバイス側(ディスクドライブ)の強化は,ホスト側(PC)のパフォーマンス強化にも繋がる。採用製品は2001年末に登場する。
カンナは,新しいハードディスクを造っているという。謎だらけだが,伝えられる噂によると,そのハードディスクは,ネットワーク上に無限のディスクスペースを持つことができると云う。そして,ローカルにはそのネットワークディスクのキャッシュ機能と,他に類を見ない情報圧縮技術を持っている。トランスメタのクルーソーがコードモーフィング技術などでチップに大変革をもたらしたように,このハードディスクも,既存のハードディスクの存在を一変させる。
そのキャッシュ技術と独自のプロトコルでシリアルATA以上の速度を実現し,ローカルの650KBのディスクが,ネットワーク上のディスクとやり取りし,圧縮された情報を常にやり取りする。ローカルのディスクにアクセスする以上の遅延が生じることはない。ネットワーク上のディスク容量は,オンラインでいつでも容量の拡大を申し込める。もちろん無制限だ。シリアルATAなんて,たいしたことない。明日,ハードディスクの,革命が起きる。
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